―この一年を一言で言うと?
「自分を見つめ直した一年だったなと」
―それは何かきっかけになるような印象的な出来事があったんですか?
「一年の後期から二年の終わりまで今の自分は嫌だなっていう思いがじわじわ溜まってきてて、今すぐには変われないからどうしようかなって思ってたんですけれど三年に上がる頃に自分の嫌いなところとか好きなところを手帳に書き出したんだよね。それをちょっとでもクリアできたらいいかなと思って。それが一番最初かな。(手帳が)あります。ここに笑」
―そこに書いてあるんですね。
「得意なことと苦手なことも書いてある。どうなりたいかとかも」
―ちゃんと自己分析をなさっているんですね。
この頃は、就職するときにどの業界に進もうかすごく悩んでいた時期だったから、それもあって得意じゃないけどやりたいこと、経験はつんだけどプロの人たちの中に入ったら自信がないことも書いた。まだちょっと弱いなって部分を鍛えたかった」
―そのようにして自分自身を見直しながらどんな作品を作りましたか?
「制作系の授業を主に三つとってて、一つがパッケージ、もう一つが表現演習(表現コース)、最後がゼミだね。ゼミは前後期異なる先生のところに行けるから、大きく分けてゼミの中で二つ、パッケージも二つ、表現も二つって感じで六つ作品を作ったかな」
―これ楽しかった!っていう授業はありますか?
「手放しで楽しめるものはなかったけれど、やってて楽しかったのは前期の徳久ゼミと、手応えあったのがチョコレートのパッケージの課題」
―それはどのような部分で手応えを感じましたか?
「結構ユーザーに迫りながら作れたことが一つと、毎週先生にチェックしていただく中で厳しいお言葉をいただいて、いいものを作りたいという精神が働いたかな。でも最終日に先生に『めちゃめちゃよくない?』って言ってもらえて上位三作品の中にも選ばせていただいて。自分の中のセオリーを久しぶりにちゃんと踏んで作業できたっていうのもあるかな」
―自分の中のセオリーとおっしゃいましたが制作の中で何か意識していることはありますか?
私はもともとUX(user experience)やUI(user interface)を専門にしているタイプの人間だからユーザーの目線に立つとかペルソナを考えるとか、事前の下調べの時間が長いし、長めにしっかりやろうと考えてる。でも事前に下調べをしてもそれが(自分の)デザインに現れないことが結構あって(良くない意味で)シンプルにまとまっちゃう。調べたものをきちんと情報として反映させられない。なので早めに早めに手を動かすようには気を付けてる。それは別に今でも全然できてないから課題の一つだけれど」
―お話を聞いていて分析をすることが好きな印象を受けたのですがもともと好きだったのでしょうか?
「分析が好きかって言われるとちょっと違うんだけれど、(自分は)頭が固くて。理屈を並べがちで、難しい言葉を使いたがるのがもともとの性質だからもしかしたらそれがちょっとプラスに働いているのかもしれないね。」
―好きだからというよりは意識せずに頭を働かせながら制作をしているということですかね。
「そうだね、そっちの方が近いね。UI・UXに進みたいって思ってからは意識的にしているけれどそれから(分析や調査を)していたかも」
―話題を変えて、授業以外で活動していることはありますか?
「趣味はもちろんのこと最近、大体二年生くらいからはグラレコ(グラフィックレコーディング)をやっているんだけれど。ワークショップに参加してからグラレコ関係のお仕事をいただくようになって。課外活動って形でいうとグラレコのお仕事が多いかな」
―グラレコのお仕事をやってみていかがですか?
「楽しい。私がもともと気になっていたことや興味がある方面に合致しているというのもあって。やっぱり始めたてはペーペーだから。2年の今頃にグラレコのお仕事をいただいて(福島県の)会津若松市に行ったんだけれどその頃と比べるとちょっと経験値は上がっているかなと思いますね。楽しむ余裕もできたかなって」
―何かグラレコを通して知見が広がったことはありますか?
「みんな言っていることなんだけれど、グラレコがあるとわかりやすいんだよね。意思疎通とかコミュニケーションスピードが格段に上がってコミュニケーション精度もあがるからとても有用だなと思って。」
―なるほど、その他にも趣味をなさっているということでしたが何をされていますか?
「趣味はね、小学生みたいな回答になるんだけれど歌うこととお絵かきをすること笑」
―可愛い…
「恥ずかしいね笑もともと合唱団を小学生のときからやっていたからその影響で歌うのは今も好きですね」
―趣味にあてる時間はどのくらいですかね?
「時々によるんだけれど、課題が立て込んでいるときはもう絵はほとんどかけませんね。でも歌はどんな時でも大体、勉強しながらとかでも歌うかもしれない。アパートだとね壁が薄いから上の階の人に申し訳ないって思っちゃう」
―課題が週の中でいっぱいつめつめな感じなのでしょうか?
「うん。実際に手が動いていない時でも課題について考えてる。精神的に病んじゃう人とか自分以外の人でもいるとは思うんですけど、それも結局何で病んでるかと言ったら課題とか自分の将来のことだと思うから、体は動いてなくても精神的にいっぱいいっぱいになる人が多いんじゃないかなと」
―なるほど。これから就活が始まりますが、『こうしたい!』と思っていることはありますか?
「作品に没頭したい。作品の取り組み方にムラがあって、いろんなことを負担に感じてしまって、改善できないまま作品を詰めちゃうとやりきれなかったって思う作品が出来ちゃって。没頭できると良いものができるし評価されなくても次につなげていけるからいいなと思ったけど、その経験をもっと増やしたいっていうのもあるかな」
―就活関連で何か対策をしていることはありますか?
「一番近い将来のことでいうと、行きたい会社ができたということ。私にとってはそれが大きかったかな。行きたい業界が二つあったからどうするべきか迷ってて。うだうだしている時間がとても長かったから、第一志望の企業が決まったっていうのが指針の一つになったからそれに向けてポートフォリオを用意したり就活後のこととか考えて今何ができるのか考えたり、やる気をもらっています」
―行きたい方向を決めたきっかけありますか?
「就活期に学生をサポートしてくれる企業のサマースクールに参加して、個人面談をさせていただいて。まだ一番フランクにカジュアルに話せる時で、企業側から『就活に関する悩みはありますか』って質問してくださって正直に悩みを言ったんだよね。そこでアドバイスをいただいて納得できて指針が決まった感じです。長い旅でした」
―じっくり悩んできたんですね。それでは最後に今後の活動に向けて意気込みを。
「ダサい生き方をしたくない笑今までダサい生き方をしてきたから、少しでも人様に顔向けできるように真っ当な人になりたいと思います」
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